小さい頃の宝物は、従姉妹の家から回ってきた赤くて硬い表紙の世界少年少女文学全集だった。
ハックルベリー・フィン
シートン動物記
15少年漂流記
ロビンソン漂流記
三銃士
小公女
小公子
アルセーヌ・ルパン
などなど
冊数は覚えていないが、子供の感覚ではとにかく大量だった。
そしてそれらを青い絨毯の張ってある家の内階段の右側半分に図書館を模して並べ、空いている階段の左側で読むのが至福の時であった。
現実の図書館は3駅電車に乗った先にあり、通うのは現実的では無かったのだ。
ただ、図書館と違って返却期限が無い環境に慣れすぎて、今でも本は借りるより買って読む派だ。
「家は借りて住め、本は買って読め」
何処かで聞いたそのフレーズは、しっかりと心に刻まれている。
ちなみに旦那さんもそちら派。
良い伴侶を得たと思う理由の1つだ。
しかし振り返って思うと、私は3人姉弟の長女でありながら、いつも思いついたアイディアを実行しまくる自由な子であった。
階段図書館なんて、良く母が許したものだ。
2歳下、5歳下の弟妹、階段は危険な場所なのに更に本で幅を狭くして危険度を上げたというのに、両親に階段図書館片付けろと注意された記憶がない。
上記の通り、階段には青い絨毯が張ってあったから許してくれたのかもしれない。
本を読む事を自由にしてくれたお陰か、私は言葉が大好きだ。
続く